水産増殖
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ナマコこぎ網の漁獲効率の推定について
畑中 宏之
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1994 年 42 巻 2 号 p. 227-230

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抄録

タグ標識法により, ナマコこぎ網の漁獲効率を推定した。試験は, 小浜湾東部に位置する2つの海域を選んだ。両海域の底質は共に泥質であるが, 1つの海域はカキ殻が散在していた。タグを打ったアオナマコを試験海域に均一に放流し, ナマコこぎ網を放流後10分以内に曳網した。漁獲効率の推定は放流数と再捕数の割合から求めた。その値は, 単なる泥質では0.780が, カキ殻が散在する底質では0.555が推定され, 漁獲効率は海底が平坦でない場合は低下すると考えられた。また, 得られた漁獲効率から天然集団の生息密度は, A地点で3.74個体/100m2およびB地点で7.45個体/100m2と推定した。

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© 日本水産増殖学会
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