抄録
放射免疫拡散法 (SRID) による簡便かつ特異性の高いマダイ, Pagrus major, のビテロジェニン (Vg) 定量法を開発した。本SRIDには, マダイ卵黄蛋白に対する特異抗血清を用いた。各種の抗血清濃度, Vg量および反応時間を検討した結果, 抗原抗体反応完了時における免疫沈降輪の面積は, 試料中のVg量に比例することが明らかとなった。一方, 抗原抗体反応が未完了の時点では, 試料中のVg量と免疫沈降輪の面積との関係を対数式で表現できることが明らかになり, 測定時間の短縮および抗血清の節約が可能となった。抗血清濃度1%, 反応時間1日におけるVgの定量可能範囲は, 21μg/mlから42.4mg/mlであった。同条件下におけるアッセイ内変動係数およびアッセイ間変動係数は, 各々1.71% (n=9) , 4.85% (n=5) であった。また, エストロジェンによる雄マダイのVg産生誘導, 卵黄形成における雌マダイ血清中のVg量の変化についても検討した。