1999 年 47 巻 1 号 p. 21-28
同一タンクで飼育されたマダイ人工種苗における同系交配群と異系交配群の量的形質について評価した。2系統の人工種苗から2つの実験区より全きょうだい, 半きょうだいの計20家系が得られた。孵化仔魚の奇形率は, 雄親・雌親の生理的条件 (環境要因) と雄親・雌親の相互作用 (遺伝要因) の2つの成分に由来していた。最初の実験区では45日齢と166日齢で, 次の実験区では48, 75, 130, 166日齢で全長, 体重を計測した。同系交配群と異系交配群の間で全長, 体重に有意差はなく, 雑種強勢は認められなかった。しかし, 肥満度には両交配群間で有意な差が認められ, 肥満度における遺伝率は高い値を示した。雌性発生系の交配では, 雌性発生継代群に比べ雌性発生系間の交配群でいくつかの形質で値が大きくなったが, 両群問に有意差は認められなかった。