1999 年 47 巻 1 号 p. 65-69
単体性ホヤ・エボヤの噴出運動を, 体内圧の変化や噴出海水量を連続測定し, そこで観察した長い持続性の反応 (持続性噴出運動) について調べた。持続性噴出運動は, 一過性の噴出運動と比べて, 噴出圧が低いこと, 反応時間が長いこと, 発生の時間間隔が長いことなどの特徴を持っていた。さらに, 一過性の噴出運動と異なり, 外部からの体性感覚刺激によっては, 誘発されることはなかった。これらの結果から, 持続性噴出運動は, 一過性の噴出運動と異なる役割や神経機構をもつものと考えられた。