水産増殖
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水温環境の異なる2つの生育地のカジメ群落における現存量,密度,年齢組成の比較
芹澤 如比古秋野 秀樹松山 和世大野 正夫田中 次郎横浜 康継
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2001 年 49 巻 1 号 p. 9-14

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抄録

土佐湾手結地先と伊豆下田鍋田湾のカジメ群落について1995~1997年に方形枠を用いた季節的な刈り取りを行い,両群落を比較した。両地の水温環境は異なり,手結の方が通年2~4℃高い。平均個体重(生重)は手結では60.9g(1月)~216.2g(6月),鍋田では329.4g(1月)~720.5g(10月)であった。現存量は手結では1.9~4.3kg生重/m2,鍋田では4.9~10.7kg生重/m2であり,冬季に低く夏季に高かった。また,どの季節も手結の方が低かった。総個体密度は手結では34~53個体/m2(1歳群以上で10~19個体/m2,0歳群で16~34個体/m2),鍋田では15~40個体/m2(1歳群以上で12~17個体/m2,0歳群で3~26個体/m2)であった。手結ではどの季節も0~1歳群が多く,2~3歳群は少なかったが,鍋田では冬季から春季に0歳群が多く,5歳群も確認された。

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