水産増殖
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アコヤガイの鰓換水に及ぼすホルマリンの影響
山元 憲一近藤 昌和半田 岳志林 安章
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2001 年 49 巻 4 号 p. 461-467

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抄録

本研究は,アコヤガイに及ぼすホルマリンの影響を調べる目的で,ホルマリン海水に曝露して換水量を40分間連続測定した。合わせて,24時間浸漬した後に正常海水中での換水量,鰓の繊毛運動を測定し,鰓の表面構造および組織像を観察した。換水量は,40分間曝露した場合には,4ppm以上で減少したが,20ppmでも正常な海水に戻すと対照区の水準まで回復した。24時間浸漬すると,換水量は4ppm以上で,鰓葉に載せた小片の移動速度は14ppm以上で減少した。これらの結果と鰓の観察から,4ppm以上で換水量を減少させ,14ppmで24時間経過すると繊毛の運動が低下し,18ppm以上では24時間経過すると鰓の表面構造に異常が生じると推測した。

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© 日本水産増殖学会
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