水産増殖
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モクズガニの遡上魚道に関する実験的研究
浜野 龍夫勝俣 亮介三矢 泰彦安田 陽一
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2002 年 50 巻 2 号 p. 143-148

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抄録

モクズガニ稚ガニを遡上させる魚道の基本的な条件を明らかにするために, V字型の断面を持つ実験水路を製作して実験した。夜間に行った実験では, 勾配20°と50°, 水温20℃と25℃, 表面流速50, 100, 150cm/sでは, モクズガニは水際や飛沫域や流心を活発に遡上した。水温15℃のときには, カニはしばしば水から外に出て歩行した。水温20℃と25℃では, 水が流れていないときには遡上が遅れた。遡上に最も適した条件は勾配20°, 水温25℃, 表面流速100cm/sであったが, この条件では照度にかかわらず遡上した。稚ガニには正の走流性があり, 遡河能力は通し回遊性エビ類よりも高いと判断した。

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© 日本水産増殖学会
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