水産増殖
Online ISSN : 2185-0194
Print ISSN : 0371-4217
外来種コクチバスの河川内繁殖の確認
淀 太我井口 恵一朗
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 51 巻 1 号 p. 31-34

詳細
抄録

長野県大町市を流れる農具川で外来魚コクチバスの仔稚魚9群が確認され, この中の1群で保護親魚が同時に観察された。これは本邦の流水域における繁殖の初記録である。
各群れの平均体長は9.8~22.8mm (屈曲期仔魚~稚魚) で, 各仔稚魚群の出現箇所内において, 仔稚魚の出現した観測点の流速は最大3.2~61.1cm/sを示した。仔稚魚は成長にともなってより速い流心部に進出すると考えられ, 一方産卵には緩流部が必要と考えられた。また, 農具川への侵入源と考えられる木崎湖と比較して農具川ではオオクチバスよりもコクチバスの比率が有意に高く, 本種の流水域への適応性の高さが明らかとなった。これらは, オオクチバスが定着しなかった本邦の河川中・上流域においてもコクチバスが定着して生物群集に悪影響を与える危険性を改めて強く示唆するものである。

著者関連情報
© 日本水産増殖学会
前の記事 次の記事
feedback
Top