水産増殖
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スジアラ人工種苗の口径と捕食したデバスズメダイの最大体サイズの関係
照屋 和久浜崎 活幸竹内 宏行
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2003 年 51 巻 1 号 p. 35-40

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抄録

スジアラ人工種苗 (全長83~224mm) のデバスズメダイ (全長9~75mm) に対する捕食実験を行い, スジアラ種苗の口径と捕食したデバスズメダイの最大体サイズの関係について検討した。捕食実験は水槽を用いて行い, 10~20尾のスジアラ種苗に対して60尾のデバスズメダイを与え, デバスズメダイの全長測定値からスジアラが捕食したデバスズメダイの最大体サイズを推定した。また, スジアラ種苗の全長と口径およびデバスズメダイの全長と体高および体幅の回帰式を求めた。スジアラは大型のデバスズメダイを水平方向にくわえ, 頭部から丸呑みした。スジアラの口径は全長にともない直線的に大きくなり, 捕食したデバスズメダイの最大体幅は口径縦長より小さく, 最大体高は口径横長と概ね一致するか, 小さい値を示した。したがって, スジアラが捕食可能なデバスズメダイの最大体サイズは口径横長で制限されるものと考えられる。

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