水産増殖
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理化学研究所脳科学総合研究センターにおけるイカ類飼育法の検討
池田 譲櫻澤 郁子桜井 泰憲松本 元
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2003 年 51 巻 4 号 p. 391-400

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抄録

理化学研究所脳科学総合研究センターでは, 脳を知るためのモデル動物としてイカ類に注目し, 行動学的および分子生物学的研究を行うために内陸部初のイカ長期飼育施設を開設した。これに伴い, 各種イカ類の輸送, 水槽の種類, 餌料などについて飼育実験より検討した。飼育には閉鎖循環系の大型円形水槽 (10, 0001) , 小型円形水槽 (1, 7001) , マルチハイデンス水槽 (20l-8基, 50l-8基) , 角形水槽 (600l) を用いた.ヤリイカ, アオリイカ, シリヤケイカ, ミミイカを卵から飼育するとともに, ヤリイカ, アオリイカ, スルメイカ, ヒメイカ各成体をそれぞれ畜養した。その結果, シリヤケイカおよびアオリイカの累代飼育に, また, ヤリイカの2か月間の孵化飼育にそれぞれ成功した。閉鎖系における3種成体の畜養も可能でありスルメイカでは産卵も観察された。これらに基づき各種ごとの飼育の問題点について考察した。

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© 日本水産増殖学会
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