水産増殖
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イカナゴ給餌におけるマダコ幼生のDHAレベルの向上
栗原 紋子奥村 重信岩本 明雄竹内 俊郎
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2006 年 54 巻 4 号 p. 413-420

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抄録

マダコ幼生の飼育におけるイカナゴ給餌の有効性について検討するため, 大型と小型のアルテミア (Ar) のみを給餌する区と, それぞれに冷凍イカナゴフレークを併用給餌する区の4試験区を設けて, 孵化後42日間飼育した。生残率をみると, 小型Ar, 大型Ar, および小型Arとイカナゴ併用区では低かったが, 大型Arとイカナゴ併用区では10%と最も高かった。さらに, 飼育終了時の平均吸盤数と体重は, 大型Arとイカナゴ併用区において, それぞれ18.7個および26.6mgと他の区に比較して高い値を示した。幼生のDHAレベルは, いずれもイカナゴ併用区で高かった。これらのことから, 大型Arとイカナゴの併用給餌はマダコ幼生の成長促進およびDHAレベルの維持に有効であると考えられた。

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© 日本水産増殖学会
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