水産増殖
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伊豆大島におけるアントクメの生長と成熟
駒澤 一朗杉野 隆滝尾 健二安藤 和人横浜 康継
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2006 年 54 巻 4 号 p. 489-494

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抄録

1) 伊豆大島波浮港において, 2001年11月14日~2004年1月26日にかけてアントクメの生長および成熟に関する調査を行った。
2) アントクメは, 2002年, 2003年とも1月下旬に幼芽が出現し, 6月中旬には葉長が最大 (約60cm) に達した後, 先枯れにより減少し, 11月には葉状部がすべて消失した。
3) いずれの年でも子嚢斑は7月中旬から形成され, 2002年は9月上旬以降, 2003年は8月中旬以降採集したすべてのアントクメに子嚢斑が形成された。遊走子の放出は2002年は7月下旬から, 2003年は7月中旬からいずれも葉状部が消失するまで認められた。
4) 2002年における幼芽出現期の水温と2002年および2003年の最大葉長が得られた水温は, 高知県および和歌山県に比べて2~3℃ほど低かった。また, 遊走子の放出もこれまでの報告より低水温で認められ, 葉状部の消失時期は2~3ヶ月遅く, 水温も6~10℃低かった。

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