水産増殖
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大阪湾・播磨灘におけるマコガレイの性比
反田 實中村 行延岡本 繁好
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2007 年 55 巻 2 号 p. 177-182

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抄録

1986年5月から2001年1月に大阪湾~播磨灘で漁獲された6093尾のマコガレイから求めた性比は0.54であった。漁法別では, 小型底びき網と延縄は雌が多く, 刺し網では雄が多い傾向が認められた。時期別では, 小型底びき網は産卵期に雌が多く, 逆に刺し網は雄が多かった。小型底曳き網と刺し網では漁場が異なることから, マコガレイは産卵期に雌雄が異なる行動をとると推察した。年令別性比は, 1才魚では雄が多く, 2才魚以上は雌が多い傾向が認められた。全長区分別の性比は, サイズが大きくなるに従い雌の割合が高くなった。この変化は, 雌雄に成長差を与えた漁獲のシミュレーションによって概ね再現できた。約3年単位で集計した各期間の性比は0.52~0.56の範囲にあり, 経年変化は認められなかった。

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