抄録
活鰻輸送のため72時間継続の室内予備試験を諸々の方法で行ったが, 水量が増大すればそれだけ重量が増え1尾当りの運賃が高くつくのでできるだけ水を少なくするようにした。
第1回試験から第4回までの原料鰻は約4カ月間冬期の間投餌してないもので, 末だ水温が低く代謝活動が盛んにならず, 一方外気の温度もあまり高くなく試験に際しては最も条件が良かったものと思われる。 水なしの場合は衰弱が激しいようである。 シラス鰻では発泡ポリスチレン輸送箱で氷使用の第5回試験 (3月16日) では低温になりすぎよくなかったが, 同様の方法で第14回試験 (5月4日) の原料鰻ではよく, 外気の温度が高い場合は輸送箱内温度も高くなりシラス鰻でもよいとも思われる。 一般に鰻では体の粘液 (ヌタ) が出て腐敗を早め急激に水を悪くし斃死に至るので, 低温を保つことが大切と思う。
総重量は概算であり, 1尾当りの推定空輸運賃は 運賃=総重量(kg)/尾数×7.21$×125%×360円によった。
昭和35年4月19日、11.59 P.M羽田発日本航空713便シンガポール行 (DC-68)、同714便の4月21日 8.00A.Mシンガポール発羽田行の往復無開封の試験を行った。