水生動物
Online ISSN : 2434-8643
西湖におけるクニマスOncorhynchus kawamuraeの再生産 I. 産卵環境
ジャーナル オープンアクセス

2020 年 AA2020 巻 p. AA2020-2-

詳細
抄録

クニマスの産卵生態には不明な点が多い。現在のところ唯一の生息地である山梨県の西湖では、スキューバ潜水により約30 mの湖底にある1区域の礫地でのみ産卵のために蝟集していることが観察されている。湧水はサケ類の産卵に重要と考えられるが、西湖での湧水箇所はごく限られている。湧水量は地中温度と湖底水温の差から推定できる。湧水の影響を評価するために、湧水量の異なる場所に発眼卵を埋設した。卵はクニマス代用として近縁種であるヒメマスの発眼卵を用いた。その結果、湧水がほとんど無い場所に埋設された卵は全て斃死したが、湧水の多い場所に埋設された卵の生残率は高かった。西湖におけるクニマス個体群存続のためには礫地および湧水の保全と管理が重要である。

前の記事 次の記事
feedback
Top