2012 年 51 巻 p. 95-104
ユーザーとしての教員の視点で, 最近1年間の学校心理学に関する研究を, ピア・サポートに寄与するという点を軸に概観した。その結果, アセスメントに基づく実践という取り組みが少なく, プログラムの有効性の効果測定にかかわるものが多かった。また, 学校心理学の研究成果を, 学校現場で活用しようとする時の使い勝手を良くするために, それぞれの論文において研究と実践を結ぶための工夫が必要である。そして, そのような研究が多くの現職教員の実践を刺激し, その実践が新たな研究を生み出すという循環構造が育まれていくことが期待される。