教育心理学年報
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I わが国の最近1年間における教育心理学の研究動向と展望
学校心理学研究の動向と課題
丸山 広人
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2014 年 53 巻 p. 108-119

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抄録

 本稿は,2012年7月から2013年6月までに発表された学校心理学領域に関する研究動向を概観したものである。学校での多くの問題は,教師,生徒,保護者,専門家を巻き込んで発生しており,問題はそれぞれの関係の中に見いだすことができる。学校には様々な関係があるので,まずはその多様な関係を「教師と教師」,「教師と生徒」,「教師と心理専門職」,「生徒と生徒」,「保護者と児童生徒」,「人と学校環境」,「その他」の七つに分類した。そして,それぞれの関係の中におけるトピックを整理し,学校心理学における問題へのアプローチには三つあるのを見いだした。そのアプローチとは,(1)心理教育や教員研修を実施して新たなスキルの獲得を目指すもの,(2)教育実践の意義を捉え直し学校の資源を見いだしていくもの,(3)研究で得られた新たな視点や新たな学習指導の方法を教師に提示するものであった。

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© 2014 日本教育心理学会
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