2024 年 63 巻 p. 1-16
本稿は,2022年7月から2023年6月までの期間に発表された,乳幼児期と児童期を対象とした研究の概観を行うもので,二つのパートから構成される。一つ目のパートでは,オンライン方式で開催された日本教育心理学会第65回総会において「発達」部門に発表された研究のテーマを整理し,近年の動向との比較を行った。日本教育心理学会第65回総会における学会企画シンポジウム(「縦断データによる研究の現在とこれから」)や『発達心理学研究』での特集号(「縦断研究は発達の解明にどう貢献するのか」第33巻,第4号,2022)に反映されているように,縦断研究にまつわる関心が新たなフェーズに入ったと見られることから,二つ目のパートでは,日本における縦断研究に着目した概観を行った。具体的には,『教育心理学研究』『発達心理学研究』『心理学研究』,Japanese Psychological Researchや国際誌に掲載された論文のうち,乳児期から児童期を対象にした縦断研究に触れながらその動向と今後の展望について考察した。