教育心理学年報
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父親の発達研究と家族システム
生涯発達心理学的アプローチ
佐々木 保行
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1996 年 35 巻 p. 137-146

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抄録

本論文は, 父親の育児関与とそれが父親におよぼす影響についての概観を試みたものである. これまでわが国の発達研究者の多くは, 父親の子どもへの影響についてほとんど考慮してこなかった. 親子関係に関する大部分の研究は, 主として母子関係の研究に集約されている. そのため父性や父子関係の研究は, 大変少ないのが現状である. 他方, 欧米の研究者では, 家族を社会システムとしてとらえる見方が次第に濃厚になっている. その理由は, 母親, 父親, 子ども, の家族メンバーが, お互いに直接あるいは間接に影響しあう存在だからである. 近年, 父親の文化的イメージは, 養育する父親として, また子どもと同様, 発達する父親としてとらえられている.

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© 日本教育心理学会
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