2002 年 41 巻 p. 187-193
教育心理学を取り巻く状況は大きく変化してきているが, 学校教育の実践の場に寄与することを希求する姿勢は変わらないと思われる。ところが, これまで研究者と実践者の対立の構図の中で語られてきた教育心理学研究の不毛性の問題は, 幾度となく学会の年次総会や年報を通じて議論されている。今後さらに複雑化し多様化する学校教育を取り巻く諸問題に対応するためにもこうした現状を改善し, 両者の新たな関係性を構築していく必要があると思われる。そこで, 本論では研究者と実践者間における現在の問題点について考察し, これからのあるべき姿について検討していこうと考える。