教育心理学年報
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スクールカウンセラーによるコア援助チームの実践
学校心理学の枠組みから
田村 節子
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2003 年 42 巻 p. 168-181

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抄録

学校生活において子ども達は, 学習面, 心理・社会面, 進路面, 健康面にわたる多様な援助ニーズをもっている。スクールカウンセラーが, 子ども達の援助ニーズに応えるためには, 学校心理学に基づく心理教育的援助サービスの理論体系 (石隈, 1999) が多くの示唆を与える。本稿では, 学校心理学を枠組みとしてスクールカウンセラーが実践したコア援助チームの事例を取り上げ, 心理教育的援助サービスについて考察した。コア援助チームとは“教師・保護者・コーディネーター (スクールカウンセラーなど)が核になり, 他の援助資源を活用しながら定期的に援助する心理教育的援助サービスの形態 (田村, 1998)”である。コア援助チームでは, それぞれの異なった専門性や役割を生かしながら子どもの状況について検討し, 今後の援助について話し合い, 援助資源を生かして援助を行う。コア援助チームで行ったコーディネーションや相互コンサルテーションは有効であることが示唆された。さらに, 援助資源の把握, アセスメント, 援助の立案などのために作成した援助チームシート・援助資源チェックシートも有用であることが示された。

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