教育心理学年報
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日本における幼児教育に関する教育心理学的研究
1993年以降を中心に
山崎 晃
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2004 年 43 巻 p. 145-155

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抄録

幼児教育・保育に教育心理学がどのような役割を果たしてきたかについて, 1993年以降の教育心理学研究に掲載された論文の概要をもとに, 時代の要請・ニーズへの対応, 幼児教育・保育カリキュラム作成への寄与, 研究内容が幼児教育・保育にどのような関連を持つかへの言及, の3つの視点から分類した。その結果, 行政機関策定プランの基礎となる研究や幼児教育・保育カリキュラムの作成に関わる研究は少なく, 幼児教育・保育に言及した論文の割合は36%ほどであった。このような状況を改善するためには, 保育実践者と研究者の交流を深めようとする姿勢・意識, 理論研究と実践研究の融合をはかるための研究者同士のネットワークの構築, が必要である。また, 幼児教育・保育に関わる行政組織の施策立案に利用できる乳幼児の発達に関する資料を整えることも必要であろう。

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© 日本教育心理学会
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