アレルギー
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萎縮性胃炎のアレルギー説に関する検討 : 特に補体の関与について
関野 壮
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1971 年 20 巻 2 号 p. 134-145,148

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抄録

萎縮性胃炎において, 胃自己抗体が検出され, この抗体には補体結合性抗体が認められている.萎縮性胃炎患者の血清, および胃粘膜組織につき, 抗体と補体に関する検討を試みた.対象は, レ線および内視鏡検査と病理組織学的診断に基づいた健常者12例, 表層性胃炎10例, 萎縮性胃炎58例, 新鮮潰瘍33例, 慢性潰瘍32例, 胃癌18例の計163例である.1) 補体結合性抗体は, 補体結合反応および蛍光抗体法により検索し, 萎縮性胃炎の35%, 慢性潰瘍の23%に抗体を認めた.2) 萎縮性胃炎の平均血清補体価(CH50)は31.6単位で, 健常者の39.8単位より有意に低い.(P<0.01)慢性潰瘍は31.7単位で, 新鮮潰瘍41.1単位より有意に低い.(P>0.01)3) 血清補体成分は疾患別に著変はない.4) 胃粘膜組織のCI結合能力(CH63)は健常例で0.2単位/mg, 萎縮性胃炎0.9単位/mg, 慢性潰瘍は0.85単位/mgであった.5) 抗ヒトβ_1cラベル血清による蛍光抗体法でβ_1c(C3)の存在部位は, 壁細胞のcytoplasmaであり, 萎縮性胃炎で57.5%に螢光陽性であった.萎縮性胃炎において, 抗原抗体結合に補体が関与することは, 自己免疫学的機序が関与する可能性を示唆する.慢性潰瘍でも同様な推察が可能である.

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© 1971 日本アレルギー学会
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