アレルギー
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小児気管支喘息児における運動負荷前後の病態に関する研究 : 第2編 Peak Flow Rate, Lactic Acid, Pyruvic Acid, pH, blood Sugarについての検討
飯倉 洋治
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1975 年 24 巻 6 号 p. 465-471,523

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抄録

本編では, 運動後にbronchoconstrictionが起こることが多い喘息児に運動負荷を行い, PFR, lactic acid, pyruvic acid, 血液 pH, blood sugarの変動を喘息児48名, 非喘息児6名について検討を加え, 回復を比較してみた.この際, 運動負荷は第1編の条件と同様に行った.その結果, PERの回復は軽症群が最もはやく, 運動後5分で相関係数0.984と高かったが, 重症群では30分後でも0.615の相関しかみられなかった.lactic acid, pyruvic acidは運動後著しい上昇をみたが, その後すみやかに運動前の値に戻る傾向にあった.しかし軽症群に比べ中等症, 重症群はその変動が著しく, かつ回復の時間が長かった.pHは運動直後低下するが, その後ただちに上昇し, 運動30分後は運動前の値より上昇した.この経過中重症群は運動後metabolic acidosisの傾向を示した.血糖値は運動後低下, その後すみやかに元に戻った.

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© 1975 日本アレルギー学会
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