アレルギー
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Prostaglandinsの末梢血好酸球減少効果
黒沢 元博根本 俊和池 愛子青木 秀夫小林 節雄
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1975 年 24 巻 7 号 p. 548-553,584

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抄録

prostaglandinsが末梢血好酸球の減少効果を有するという報告はない.われわれは末梢血好酸球に対しprostaglandinsが減少効果を有するか否か, また減少効果を有するとするなら, この効果がβ受容体を介して発現されるか否かを明らかにするため, この実験を行った.脾摘白色ウイスター系雄ラットを用い, thiopental sodiumの麻酔下に薬剤(prostaglandins, epinephrine, propranolol)を腹腔内に投与し, 投与前後に尾静脈より採血し直接法で好酸球を算定し, 次の成績をえた.1)PGE_1およびPGE_2 1μg/kg投与では投与3時間後に好酸球数の減少効果が認められたが, PGF_<2α> 1μg/kgでは減少効果は認められなかった.しかし10および50μg/kg投与ではPGE_1, E_2, F_<2α>とも生食投与群に比し有意の値で減少効果が認められた.2)10μg/kg投与で経時的に観察すると, 投与2および3時間後にはPGE_1, E_2, F_<2α>とも末梢血好酸球減少効果が発現された.3)propranololはepinephrineの好酸球減少効果を抑制したが, PGE_1, E_2, F_<2α>の末梢血好酸球減少効果は抑制しなかった.

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© 1975 日本アレルギー学会
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