アレルギー
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寒天内白血球遊走阻止試験の基礎的条件の検討
峠 哲哉関口 守正佐丸 義夫藤井 源七郎服部 孝雄
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1975 年 24 巻 8 号 p. 591-598,636

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抄録

マクロファージ遊走阻止試験が生体内細胞性免疫と相関することは数多く報告されている.方法については, capillary法については多くの報告がみられる.最近Clausenにより寒天内遊走阻止試験が報告され, 従来のcapillary法と比較して利点を有するとしている.われわれは, このClausen原法を追試したが十分な白血球遊走が得られず, 改めて基礎的条件を検討した.検討した結果, 次の結論を得た.1)寒天の種類および濃度について, bacto-agar終濃度1%が最適であった.2)寒天に加える塩類液, 血清の種類および濃度について, TC-199, およびウマ血清終濃度10%を用いた場合, 最も白血球遊走が良好であった.3)細胞数について, 遊走面積はwellに入れる細胞数に比例した.採血量を考慮して, 細胞数はwell当り2×10^6個とした.4)細胞浮遊液には血清を入れる必要はなかった.5)抗原としてPPDを50-100μg/mlを添加した場合, 最も遊走阻止が顕著であり, その場合の判定時間は4-6時間が最適である.長時間の培養では, むしろ遊走阻止率は減少した.低濃度の抗原を用いると, 遊走促進が観察された.6)pre-incubationは行わなくともよい.7)抗原はwell中に入れた方がより経済的である.

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© 1975 日本アレルギー学会
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