アレルギー
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Bリンパ球上のFcレセプターのロゼット形成による検出
森藤 忠夫谷本 潔昭青塚 新一三好 久視堀内 淑彦
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1975 年 24 巻 8 号 p. 604-612,637-63

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抄録

ripleyのRh抗血清で感作したヒト血球は, ヒトリンパ球の一部と安定した強固なロゼット(Fcロゼット)を作成する.このロゼットはEDTAや温度に影響されず, 変性ヒトIgGやFc-fragmentにより著明に抑制される.Fcロゼットによりロゼット形成リンパ球と非形成リンパ球を分けると, 前者はEACロゼット形成および蛍光抗体陽性細胞を示し, 後者はEロゼット陽性細胞であった.ripley血清を還元アルキル化するとFcロゼット形成は阻害され, また他の抗Rh抗血清およびウサギ抗ヒト血球血清に比してripleyの方がロゼット形成率が高かった.正常人のFcロゼット陽性率は27.1±6.9%であり, EACロゼットや陽性細胞とほぼ同率を示す.Fcロゼットの電顕像は, 他のロゼットに比しより広範囲に強固に結合している像を示している.以上より, FcロゼットはB-cellのFcレセプターにより形成され, IgG分子内のS-S bondを必要とし, ヒトIgGはウサギIgGより有効であり, RF産生細胞およびC1q産生細胞はほとんど含まれず, 本方法はB-cellの検出において簡便で特異性が高い方法と考えられた.

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© 1975 日本アレルギー学会
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