1976 年 25 巻 1 号 p. 24-31,49
ニュージーランド・マウスを用いてcyclophosphamideとprednisoloneの併用療法ならびに摘脾の自己免疫現象に対する治療効果を検討した.免疫抑制剤はNZBおよびNZB(NZB×NZW)マウスのクームス・テストに対して抑制的に働いた.また, 1ヵ月令における摘脾はクームス陽性溶血性貧血の進展およびNTAの出現をある程度抑制したが, 他方, 抗核抗体の出現に対してはむしろ促進的効果を示した.さらに免疫抑制剤の投与は, 摘脾例に対してはほとんど無効であった.免疫抑制剤を投与することにより, NZB/Wマウスの腎病変の進行はかなり抑制し得た.また自己免疫胸腺の移植を受けた正常マウスが呈する自己免疫現象についても検討を加えた.