アレルギー
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アトピー性皮膚炎とHLA抗原 : 気管支喘息合併の有無による解析
小澤 明大城戸 宗男新妻 寛松尾 聿朗中野 政男辻 公美能勢 義介山本 一哉加藤 俊一
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1976 年 25 巻 11 号 p. 751-757,796

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抄録

目的:ヒト白血球抗原(HLA抗原)を用い, (1)アトピー性皮膚炎と特定のHLA抗原とがassociateまたはlinkするか, (2)気管支喘息合併群と非合併群とでは, 特定HLA抗原出現頻度に差があるか, (3)さらにHLA抗原検査を含む家族調査により, 前記2群の遺伝関係はどのようになっているかなどを検討した.対象と検査方法:アトピー性皮膚炎83例(気管支喘息合併症群36例)および健康正常人66例, さらに患者21家族につきImphocytotoxicity test(NIH)に従いHLA抗原を検査した.抗原決定には約300種の血清を用い, 47抗原につき検査した.結果:(1)アトピー性皮膚炎では, HLA-BW40が高頻度に出現し, その一方HLA-BW15は1例にもみられなかった.(2)気管支喘息を合併すると, HLA-B12が非合併群に比べ高頻度に出現した.(3)これらの疾患とHLA抗原とでのassociationを認めたが, linkageはなかった.

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© 1976 日本アレルギー学会
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