アレルギー
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Immune-Adherence Reactionの研究 : I. 免疫粘着反応の定量的解析
関根 暉彬
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1976 年 25 巻 12 号 p. 837-842,849

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抄録

immune-adherence reaction(IA)とは, 抗原(Ag), 抗体(Ab), 補体(C)複合物が白血球やマクロファージや霊長類の赤血球または, 非霊長類の血小板に粘着する現象である.この反応の原理はC3が活性化をうけて生じたC3bと上記細胞表面にあるIAレセプターとが結合することである.この反応はこれまで主に粒子状抗原を用いて凝集反応として観察されてきたので, 定量的な解析があまりなされなかった.著者は ^<125>I・ラベル・ウシ血清アルブミンをAgとして用い, IAを定量的に測定した.その主な点はAg濃度を低く(200ng/ml以下)し, Ag・Ab反応によって血球を沈殿させる程度の遠心で沈殿するAgを非常に少なくしたことである.この実験条件におけるCなしの対照のヒト赤血球沈渣に移行するAg量は4%以下であった.この方法によってIAの定量的な解析を試みた.その主な結果は, Ag・Ab結合物と過剰のCとの反応は, 200ng/ml, 50ng/mlAg濃度では37℃, 3分でほぼ完了するが, 低濃度(20ng/ml)なAgでは60分程度必要である.Ag・Ab・C複合体とヒト赤血球との反応は, Ag濃度に関係なく37℃, 15分で完了するが0℃では60分以上必要とする.すなわち温度依存性であった.

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© 1976 日本アレルギー学会
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