アレルギー
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気管支喘息に対する自律訓練法の効果に関する研究
毛塚 満男可部 順三郎石崎 達石川 中
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1976 年 25 巻 2 号 p. 62-69,100

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抄録

シュルツにより始められた自律訓練法は, 気管支喘息や種々の心身症に効果があるとこれまで報告されてきた.この研究は, 自律訓練法の気管支喘息に対する治療効果を調べ, またその効果を通して気管支収縮機構を研究するために行った.自律訓練法は, 18名の患者に1日2から3回の練習回数で実施した.これらの患者は, 当院外来で6ヵ月以上経過観察しており, その重症度は中等症から重症のものであった.その結果, 4-6ヵ月の訓練後, 1例が著明な臨床症状の改善を示した.この症例では, 血清IgE値が上昇したにもかかわらずhouse dust皮内反応閾値が不変であり, histamine皮内反応で紅斑の大きさが減少した.また自律訓練実施中何回も喘鳴が消失した.このことは, この症状における臨床症状の改善が, cough受容器もしくはaxon reflexに対する自律訓練法による末梢性あるいは中枢性の抑制効果によるものであると考えられる.

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© 1976 日本アレルギー学会
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