アレルギー
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Transfer Factorの化学特性・伝達性の局在およびリンパ球^3H-Thymidine取り込みへの抑制に関する研究
鈴木 成欣星野 弘柴崎 正修黒梅 恭芳松村 龍雄
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1976 年 25 巻 3 号 p. 122-127,161-16

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抄録

細胞性免疫伝達物質transfer factor(TF)の性状, 抽出法などにつき, 2, 3の基礎的検討を行った.4例の供血者より得たTFについてSephadex G-25にてゲル分画を行ったところ, 4例ともFr.2が最も大きいOD260/280を示した.なかでも, 透析法で採取したTF_Dより, DNase消化後直接カラムにかけたTF_FのほうがOD260/280はより高値で, PPDに対する皮膚反応の転化能も, このFr.2に最も多くみられた.TFの各分画のcarbohydrateおよびpeptide含有量は, おのおの10-21.3μg/ml, 120-157μg/mlであり, Fr.2でcarbohydrateははほとんど検出不能であった.Lymphocyte ^3H-TdR incorpotation testを用いたTFの活性の検定では, TFを加えた系でTFはを加えないコントロールより, いずれも著明な ^3H-TdRの取り込みの抑制がみられた.このことよりTFの抽出法によるリンパ球の抑制因子の出現と, その対策につき考案した.

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© 1976 日本アレルギー学会
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