アレルギー
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ラット筋膜感作モルモットの組織学的変化と抗ラット筋膜抗体の検討
市川 幸延清水 洋三郡山 健治有森 茂
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1977 年 26 巻 10 号 p. 694-701,725

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抄録

ラット筋膜を Freund's complete adjuvant とともにモルモットに免疫することにより, 筋線維間単核球浸潤, 筋線維変性, I型ならびにII型筋線維萎縮と神経筋終板の拡大をみとめる実験的筋炎を作成することができた.免疫モルモット血清 GOT は一過性に上昇を認めたが, アジュバント単独群との差は認められず, 血清 CPK は一定の傾向を示さなかった.筋炎発症モルモットの坐骨神経直接刺激による誘発筋電図では誘発電位の漸減現象は認められなかった.筋膜免疫モルモット血清中にはラット筋膜にのみ特異的な補体結合性抗体が見い出された.筋膜を各種の溶媒(アンモニア, sodium dodecyl sulfate, sodium deoxycholate, urea)を用いて溶解すると, 筋膜はこの補体結合性抗体と反応する抗原構造を失うことが判明した.筋炎発症モルモットの腹腔浸出細胞, リンパ腺および脾細胞を用いての筋病変ならびに遅延型皮膚反応の伝達実験は不成功であった.

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© 1977 日本アレルギー学会
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