アレルギー
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薬剤アレルギーに関する基礎的研究 : (2) Procaine PcG Suspension 中に存在する PcG Polymer の検出
竹内 良夫
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1977 年 26 巻 6 号 p. 504-510,516

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抄録

ペニシリンアレルギーの発症はペニシリン製剤中に存在する分解物, 生成物あるいは不純物に起因する場合のあることが証明されている.著者はその一因を解明する目的で, 実験的に作製した PcG polymer がラットに感作原性があり, また PCA 反応を惹起することを見いだした.この抗原性を有する PcG polymer を製剤中から検出する目的で, procaine PcG suspension を材料として PcG polymer を検索し, 次の結論をえた.suspension 遠心上清(147mg/l vial)の methyl alcohol soluble material(65%)は, gel filtration で Kav. 0.45と0.65に溶出し, 分子量換算により4500と1000の物質で, 相対移動率が Rf 0.41と Rf 0.55を示した.赤外線分析による構造分析は beta-lactam 環の開裂が著明であり, しかもこれらの物質はアミノ酸が検出されないことから, 上記の物質は PcG polymer であると確認された.1 vial中に95mg が検出された.各種の PcG 定量測定では, PcG polymer は PcG 構造に由来する特性を99%以上消失していた.

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© 1977 日本アレルギー学会
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