アレルギー
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Radioimmunoassay による血清 IgE 量測定の結果よりみたホヤ抗原 Ei-2 ならびに Gi-2 の抗原構造について
城 智彦河本 寛爾岡 智勝谷 隆坪井 信治大塚 正
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1977 年 26 巻 8 号 p. 589-595,622-62

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抄録

ホヤ喘息18例(A), 一般喘息10例(B), 健常なカキ従業者9例(C), 健常者8例(D)の血清 IgE 量を RIST により測定し, 同一血清について Ei-2 または Gi-2 結合 Sepharose 4B による RAST(それぞれ Ei-2, Gi-2 RAST とよんだ)も行って, 次の成績をえた.1.Ei-2 RAST 値, Gi-2 RAST 値は(A)では有意に高値を示し, (B), (C), (D)間には有意差はなかった.2.(A)の RIST 値は(B), (C), (D)に比して有意に高値で, (B)のそれも(C)より高値であった.(C), (D)間には有意差はなかった.3.Ei-2 RAST 値と Gi-2 RAST 値の間には, (A)でのみ有意の相関があり, (B), (C), (D)では相関はなかった.4.(A)では Ei-2 RAST 値, Gi-2 RAST 値と RIST の間に相関傾向が認められ, ことに Gi-2 RAST 値と RIST 値の相関は有意であった.(A)以外では両値の間に相関はなかった.5.(A)症例の Ei-2 RAST 値は Gi-2 との preincubation により低下した.Ei-2 と Gi-2 の間には分子量に大差があり, (A)における粘膜反応で両者は異なる成績を示すが, (A)での Ei-2 RAST 値と Gi-2 RAST 値がともに高値で, 両者はよく相関し, Ei-2 RAST 値が Gi-2 添加により低下することから, Ei-2 と Gi-2 の共通成分である皮膚反応で活性を示す成分は, ほぼ同一構成の抗原決定基をもつものと推定される.

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© 1977 日本アレルギー学会
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