アレルギー
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そばアレルギー症の臨床ならびに好塩基球の反応性に関する研究
木村 郁郎守谷 欣明谷崎 勝朗佐藤 周一高橋 清上田 暢男斉藤 勝剛
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1977 年 26 巻 8 号 p. 612-620,624

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抄録

そばアレルギー症の11例につき, 臨床的, アレルギー学的ならびにそば粉に対する好塩基球の反応性についての検討を行った.1.臨床的特徴として, 9例がそばがら枕を長期使用しており, 枕の使用中止により6例が完全に無発作となった.2.皮内反応およびP-K反応はそば粉抗原液に100%の陽性率を示した.3.血清 IgE 値, 末梢血好塩基球および好酸球数はいずれも増多傾向を認め, 症状の改善に伴い正常化する傾向を認めた.4.位相差顕微鏡および微分干渉顕微鏡を用いた生態観察では, そば粉の添加により好塩基球の遊走速度は著明に亢進し, その形態変化は洋梨状あるいは膨化状を呈し, 細胞内顆粒の減少・消失する好塩基球も観察された.5.好塩基球脱顆粒試験では, そば粉添加により A-form より B-form も好塩基球の出現が高率であった.6.電顕観察では, そば粉添加により顆粒周囲の halo 形成, 顆粒の膨化・隣接顆粒の融合像, 空胞化など顆粒の変化が特徴的であった.

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© 1977 日本アレルギー学会
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