アレルギー
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難治性喘息の病態 : 難治因子の重みづけと難治化の予測
高納 修
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1978 年 27 巻 1 号 p. 40-49,56-57

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抄録

過去10年間に取り扱った1108例の喘息で, 難治性喘息の病態を明らかにし, さらに多要因分析による病態各項目の重み, 難治化の予測の可能性について検討した.難治性喘息は145例(13.1%)存在し, そのうち41例(28.3%)の発作死が認められた.難治因子としての重みは, 思い項目からステロイド治療, 気管支拡張剤治療, 1日の痰量, 発作の季節性, 胸部X-P, 心電図, 白血球数, 罹患年数, 型, 発作頻度, 現年令, 家内塵皮内反応, 性, 1秒量, 初発年令, 比肺活量, 呼吸困難の程度の順であった.難治化の判別をより可能にするため取り出された10項目とそれらのカテゴリー得点に基づいて与えられた難治点数は, ステロイド投与17, 気管支拡張剤経静脈投与14, 胸部X-PでB, C_2, D 11, 1日の痰量10ml以上11, 感染型10, 罹患年数10年以上9, 白血球数9000/mm^3以上9, 発作に季節性なし8, 心電図右心負荷あり7, 発作頻度2日に1回以上4.難治点数を症例ごとに配点した総難治点数は, 平均難治性喘息43.2±23.3, 非難治性喘息20.8±14.1であった.さらに得点の上昇に従い難治例が増加, 60を越すと半数以上, 70を越すと80%以上難治例となった.

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© 1978 日本アレルギー学会
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