1978 年 27 巻 12 号 p. 910-913,944
モルモットの胸腺から描出された T cell rosette を減少させる因子を用いて, T cell 機能におよぼす影響を調べた.この因子とモルモット正常リンパ球を8時間培養し, その後 T cell mitogen を2時間作用させて DNA 合成を測定した.control 群に比べて cell viability には変化がなく, Con A 使用時では60.2%, PHA 使用時では56.4%と抑制された.T cell mitogen による nonspecific な刺激ばかりでなく抗原で感作されたTリンパ球におよぼす影響も調べた.モルモットを pABS_<20>-GPA で免疫し, in vitro で pABS_<20>-GPA 刺激を行い DNA 合成を調べた結果, % inhibition は73.2%となつた.以上よりこのモルモットの胸腺因子は, T cell rosette を減少させるだけでなく, mitogen や抗原刺激による T cell の増殖をも抑制することがわかつた.