アレルギー
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PHA-induced skin reactive factor (SRF)の研究(第II報)-方法論の改良と自己皮内反応の試み
西戸 孝昭宮坂 信之原 義人奥田 正治
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1978 年 27 巻 6 号 p. 592-596,600

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抄録

ヒト末梢リンパ球の PHA 刺激による skin reactive factor (SRF) 産生と幼若化現象との相関性を検討した.SRF assay は前法の改良法すなわちリンパ球をPHA で前処理後洗浄し, PHA-free の SRF 上清を作製, 自己皮内反応によりその活性を観察した.1)健康成人15例における SRF 皮内反応は, 注射後12時間をピークとする発赤 (平均径19.6±3.1mm) と硬結を呈し, 徐々に消退し, しかし48時間後にも多数例で発赤の残存を認めた.対照 (PHA 非処理) 皮内反応は9時間後をピーク (14.4±2.9mm) とし, 24時間後には著明に褪色した.2)各種疾患患者31例では, SRF 皮内反応は19例に陽性, 12例で陰性であつた.PHA 刺激培養リンパ球の stimulation index は, SRF 陽性19例の平均値55.2±36.5に対し, SRF 陰性12例の平均値は29.2±26.1 (p<0.01)であつた.またPHA 皮内反応はそれぞれ68%, 17%の陽性率 (p<0.025)であつた.以上より, PHA-induced SRF skin test は手技も容易であり, 細胞性免疫能の定性的検査法として有効と思われる.

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© 1978 日本アレルギー学会
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