1978 年 27 巻 8 号 p. 703-706,714
2-step LIF agarose assay 法について2, 3の改良を試み, その基礎的検討を行つた.健康ヒトリンパ球を3×10^6個/2ml の割合で20%自家血漿を含む MEM に浮遊させ, PHA-P(20μg/2ml) を添加して3日間培養した後, 遠沈により LIF を含む培養上清を得た.作用させる遊走細胞には健康ヒト末梢血白血球を用いた.本方法では白血球遊走面積に干渉する影響因子として培養上清中の pH の変動や低濃度の PHA 残存量は除外しえると考えられた.培養上清中の LIF 活性はゲル濾過によりアルブミン分画中にあることが確認された.改良を試み, 観察成績の安定と再現性に利点と思われた点には, 1)これまで用いられてきたガラス製ペトリ皿に代えて Sterilin 社製白血球遊走プレートを使用したこと, 2)培養上清1ml中に加える遊走白血球を一律に500×10^4個となしたこと, 3)これらを30分間インキュベートした後, 遠沈沈渣より正確に 150×10^4個の白血球を agarose プレートの well へ注入したことである.