アレルギー
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アレルゲン検出における反応好塩基球の意義 : 好塩基球直接算定法を応用して
木村 郁郎谷崎 勝朗高橋 清細川 正雄小野 波津子石橋 健合田 吉徳中村 之信佐々木 良英小林 誠
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1978 年 27 巻 9 号 p. 725-729,766

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抄録

気管支喘息の特異抗原検出に, 末梢血好塩基球の反応性を利用した検索方法について検討を加え, 以下の成績を得た。方法:ヘパリン加静脈血2mlにアレルゲンエキス0.1mlを添加, 37℃15分間 incubation し, 好塩基球好酸球同時直接算定用希釈液にて染色し, Fuchs-Rosenthal 計算板上で好塩基球数および好塩基球20個中の洋梨状を呈する反応好塩基球の出現率を算定する。結果:1) アレルゲン添加における好塩基球の反応性を検討する場合のハウスダストエキスの添加濃度の検討では, 10^2倍希釈液が最適濃度と考えられた。2) 反応好塩基球の出現率は, ハウスダストの皮内反応閾値が低い程高値を示した。3) 反応好塩基球の出現率は, ハウスダストの吸入誘発試験陽性例は陰性例に比較し有意に高値を示した。4) 反応高塩基球の出現率は, ハウスダストの RAST score が高い程高値を示した。したがって, 皮内反応閾値, 吸入誘発試験, RAST score と好塩基球の反応性の間には密接な関連が認められた。

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© 1978 日本アレルギー学会
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