アレルギー
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全身性エリテマトーデスにおけるAlternative Pathwayについて : ウサギ赤血球溶血反応を利用して
宮島 啓人天野 哲基吉野内 猛夫三橋 康彦大藤 真
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1979 年 28 巻 4 号 p. 363-369

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抄録

SLEにおけるalternative pathwayの関与につき検討を行った.alternative pathwayの総溶血活性(ACH50)はウサギ赤血球溶血反応にて測定し, 補体系および他の血清学的所見と比較した.SLEのACH50は正常人に比し有意に低値を示した.ACH50はCH50, C3, C5, factor Bと正の相関を示し, 抗DNA抗体価と負の相関を示した.CH50, C3, C5, factor Bは互いに正の相関を示した.ACH50とANF染色パターン群間での比較では, shaggyおよびdiffuse群のACH50はspeckled pattern群のACH50に比し有意に低値を示した.ACH50とCH50が正の相関を示し, 回帰直線とACH50軸の切点は正となった.以上のことは, SLE生体内におけるalternative pathwayの活性化を示唆する.この活性化はC3b positive feedbackにくるものであろうと推察される.

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© 1979 日本アレルギー学会
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