アレルギー
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BCG細胞壁による肺肉芽腫形成反応における細胞性免疫の関与
加藤 一之山本 健一岡田 昌彦木村 卓郎柿沼 光明
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1979 年 28 巻 4 号 p. 392-397

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抄録

BCG細胞壁(BCG-CW)をoil-in-water emulsionとしてマウスに静注すると肺に肉芽腫が形成される.この肺肺肉芽腫は異物反応によるものか, 細胞性免疫によって形成されるものかを明らかにする目的で, 細胞レベルで解析を行った.その結果, 細胞性免疫がこの反応に主体をになっていることが, 次の結果より明らかとなった.1) BCG-CWで前感作されたマウスには, 特異抗原による肺肉芽腫形成反応の二次反応が存在する.2) Bマウスでは明らかに肺肉芽腫形成の低下がみられ, 胸腺細胞, あるいは脾細胞移入によって肺肉芽腫形成が対照と同程度に回復する.3) adult thymectomyを行い, 8-12週間放置したマウスでは, 肺肉芽腫形成が対照に比して低下し, 胸腺由来のshort lived cellが, 本反応に重要な役割を演じていると思われる.

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© 1979 日本アレルギー学会
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