1979 年 28 巻 5 号 p. 423-429
正常人および全身性エリテマトーデス(SLE)患者末梢血リンパ球のヒト赤血球ロゼット形成について検討を行って, 以下の結果をえた.1. 正常人末梢血リンパ球は自己, 同種赤血球ともロゼット形成を行い, その形成率には差が認められなかった.またロゼット形成を血清(FCS)を含む系, 含まない系(PBS)であっても検出率に差が認められなかった.2. SLE患者末梢リンパ球のヒト赤血球ロゼット形成率は正常人よりも高い値を示し, PBS中の方がFCS中よりもより高い値を示した.3. SLE患者では活動期のものは非活動期のものに比して高いロゼット形成率を示し, この傾向はPBS中でより顕著であった. 4. 非活動期SLE患者のヒト赤血球ロゼット形成率はクームス直接試験の陽性, 陰性とは, 無関係であった.5. 活動期SLE患者のヒト赤血球ロゼット形成リンパ球は抗DNA抗体価と正の相関が認められ, 末梢Tγ-リンパ球(IgG Fcレセプター陽性T-リンパ球)比率と負の相関が認められた.