アレルギー
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最近経験した薬剤喘息29例についての検討
坂東 武志須藤 守夫柳瀬 茂満光井 庄太郎
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1979 年 28 巻 9 号 p. 683-688

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抄録

過去8年間に受診した気管支喘息患者のうち, 薬剤によって喘息発作を誘発したと思われる症例29例について検討した.鎮痛解熱剤で誘発されたものは15例で, その内訳はスルピリン4例, アミノピリン1例, アスピリン1例, イブプロフェン5例, メフェナム酸2例, ジクロフェナク Na 1例, インドメサシン3例であった.消炎酵素剤はトリプシンの吸入によるものが1例のみであった.抗生剤は7例で, ペニシリンの内服2例, チアンフェニコール吸入2例, マトロマイシン吸入3例であった.その他ヒドロコルチゾン Na サクシネート2例, 合成 ACTH 5例であり, 合成 ACTH によるものはすべて大発作であった.発作強度別には, 小発作7例, 中発作10例, 大発作14例であった.吸入によるものは数分以内に発作が発現しており, 内服および生薬は20-30分から数時間, 注射は十数分以内に喘息発作を誘発した.死亡例はなく, 治療により数時間で治まるものが多かった.

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© 1979 日本アレルギー学会
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