アレルギー
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全身性エリテマトーデス(SLE)患者におけるLeukocyte Adherence Inhibition (LAI)試験の検討
松本 美富士江口 敬子
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1980 年 29 巻 4 号 p. 187-193

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抄録

細胞性免疫のin vitroにおける新しい検査法であるLAI試験をSLE患者末梢血について検討を行った.至適抗原量はDNA 0.25mg/ml濃度であり, この濃度では正常人の白血球の粘着能を抑制しなかった.LAI現象陽性のSLE患者白血球培養上清は正常人の白血球に対してもLAI現象を惹起することができた.SLE患者のnative DNA(n-DNA)に対するLAI index陽性率は正常人に比して有意に高い値を示したが, denatured DNA(d-DNA)に対するそれは正常人と有意差は認められなかった.n-DNA, d-DNAに対するLAI試験の結果に解離がみられた.SLEの病勢との関係については, 臨床的に活動期, 非活動期の間にn-DNA, d-DNAに対するLAI index, 陽性率に有意差は認められなかった.さらに抗DNA抗体値, 血清補体値とLAI indexの間に有意な相関は認められなかった.またステロイド投与量とLaI index, LAI試験陽性率の間にも有意な相関は認められなかった.以上のごとく, SLE患者においても, 従来の細胞性免疫のin vitroにおける検査法と同様に, LAI試験が有用であることを示している.

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© 1980 日本アレルギー学会
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