アレルギー
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血中Complexed IgE検出法の検討
古川 漸津田 正晴安倍 千之前田 啓子
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1980 年 29 巻 5 号 p. 243-246

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抄録

4%polyethylene glycol(PEG)沈降法およびげる濾過法を用いて, IgEの血中immune complexの検出方法を検討した.1) ^<125>I-IgEおよび^<125>I-aggregated IgEをさまざまな濃度のPEGを用いて, それぞれの沈降率の検討を行った.その結果, 4%PEG濃度では^<125>I-IgEの沈降率は12.2±0.78%と低いが, ^<125>I-aggregated IgEの沈降率は43.24±0.32%と非常に高かった.2) ゲル濾過法を用いて lupoid hepatitisに蚊アレルギーを合併した患児の血清中のIgEの分離を行った.その結果, モノマーのIgEとダイマー以上のIgEの2、峰性のピークがみられた.4%PEGを用いてこの2つのピークの沈降率を測定すると, ダイマー以上のIgEのピークで沈降率が高かった.以上の結果から, IgEのimmune complexが血中に存在しうる可能性が考えられ, このimmune complexを含む分画は4%PEG沈降法で測定可能であろうと考えられた.

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© 1980 日本アレルギー学会
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