アレルギー
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Thymosinのヒトリンパ球Cyclic Nucleotidesにおよぼす影響について
森川 昭廣鈴木 成欣
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1980 年 29 巻 6 号 p. 286-292

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抄録

成人ヒト末梢リンパ球のcyclic nucleotidesにおよぼすthymosinの影響について検討した.その結果, 1)cAMPについては, Thy.Fr.V-1を添加しない場合には, リンパ球1×10^6個に対し0.44±0.05pmolであったが, Thy.Fr.V-1の50, 100μg添加の場合には, それぞれ0.77±0.11, 0.82±0.16pmolと基礎値との間に有意な上昇を示した.2)cGMPについては, Thy.Fr.V-1の添加によっても有意の変化を示かった.3)〓帯血リンパ球のcAMPは正常ヒトリンパ球のそれよりも高い傾向にあった.しかし, Thy.Fr.V-1の添加によっても基礎値との間に有意の変化を示さなかった.4)E-rosette形成を抑制するThy.Fr.V-2も, E-rosette形成を促進するThy.Fr.V-1と同様に健康成人のリンパ球のcAMPを増加させた.5)Thy.Fr.V-1のリンパ球cAMP増加作用機序として, 少なくともadenylate cyclaseの賦活作用の関与が考えられた.

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© 1980 日本アレルギー学会
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