アレルギー
Online ISSN : 1347-7935
Print ISSN : 0021-4884
ISSN-L : 0021-4884
Mitogen刺激リンパ球によるLeukocyte Adherence Inhibition (LAI)現象誘導の試み
松本 美富士加藤 芳郎
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 30 巻 10 号 p. 962-968

詳細
抄録

特異抗原刺激によらず, リンパ球の非特異的刺激物質である各種mitogenによるLAI現象の誘導を試みて, 以下の結果が得られた.1) PHA, Con A, PWM, LPSのうち, PHAのみが健康人白血球に対してallogeneicなindirect LAI現象を惹起しえた.2) 培養液, 30分から72時間無刺激リンパ球培養上清, PHAそのもの, あるいは無刺激リンパ球培養上清にPHAを加えたもの, いずれもが健康人の白血球の粘着能を抑制しなかった.3) PHA刺激による場合, 培養30分後から, その培養上清中にLAI現象を惹起する因子の出現がみられ, 12時間に最大となり, 以後72時間まで反応の強さに変動は認められなかった.また至適濃度は18.8μg/ml PHAであった.4) リンパ球分画をnylon wool adherent cell, non-adherent cellに分けて検討を行うと, non-adherent cellがPHA刺激を受けた場合にのみ, LAI現象がみられた.以上のごとく, PHAのような非特異的刺激によってもLAI現象が誘導され, その反応に少なくともT-リンパ球の存在が必要であることが示唆された.

著者関連情報
© 1981 日本アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top