アレルギー
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ニュージーランドマウス胸腺上皮細胞の機能に関する研究(第2報)
蓑田 正豪西田 雅喜堀内 篤
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1981 年 30 巻 5 号 p. 252-258

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抄録

自己免疫疾患のモデル動物であるNZBマウスにおける胸腺異常と前駆T細胞の成熟分化について検討した.NZBマウス胸腺上皮細胞を培養し, 正常およびNZBマウスの前駆T細胞を骨髄より分離してともに培養後、Thy-1抗原の誘導実験を行った.またNZBマウス前駆T細胞と正常およびNZBマウスTRCとをともに培養し, Thy-1抗原の発現を検討した.コントロールはマウス線維芽細胞を用い次のような結果を得た.1)NZB-TRCとの培養により誘導されたThy-1抗原陽性細胞のcytotoxic indexを比較すると, NZBマウス群では2.0±1.2より13.3±6.3, BALB/cマウス群では0.6±2.3から15.9±4.8と上昇を認めた.2)BALB/c-TRCとの培養では, NZBマウス群は2.0±1.2より13.3±6.3, BALB/cマウス群では0.6±2.3から15.9±4.8と上昇を認めた.3)BALB/c線維芽細胞との培養では, 培養後も変化は認められなかった.以上の結果よりNZB-TRCは正常マウスのTRCに比較しThy-1抗原誘導の点において劣り, NZBマウス前駆T細胞と正常マウスとの間に差は認められなかった.

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© 1981 日本アレルギー学会
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